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天と地と

東の方におわす神様に妄想暴走中。ホミン大好き!

雪の音

Posted by そらとまめのき on   0 comments   0 trackback

真夜中。
窓をたたく音で目が覚めた。
何だろう?
雨にしては軽いような…
少しカサカサとも聞こえるような。

部屋の空気が深々と冷えている。

あぁ、雪だ。
雪が降っているのだろう。
その雪が窓に当たっている音だ。

手を伸ばし、スマホを手探りでたぐり寄せる。
ロックを解除して天気予報アプリを立ち上げる。
あぁ、やっぱり。
予報では雪。
「まとまった雪となるでしょう」
なんて一言コメントが掲載されている。
部屋が寒いわけだ。
エアコンの風がかえって冷たく感じるのと、乾燥するのとでスイッチの切られたエアコン。
だから室内は寒くて。
だけど
「どうした?」
そう言ってスマホを操る手ごと、後ろから抱きしめられた。
温かい腕。
寝ていたから、いつもより高めの体温。
自分より少し広い胸に包まれて、その暖かさにホッとする。
「雪が」
そう言うと耳を澄ませて。
「あぁ、降ってるな結構強く」
そう言って僕の首筋に顔を埋めた。
そこに性的な意図はなくて。
ただ、優しく暖めるような、そんな優しさがあった。
「明日は雪だろうから、足元気をつけないとな」
そう言って片手でお腹をポンポン、とタッチする。
そのリズムにウトウトと睡眠へ誘われる。

外は雪景色だろう。
けれどここは暖かくて。
雪の音よりも
良く聞こえてくるのは。

暖かな僕を包む人の、優しい寝息。


おしまい

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