天と地と

東の方におわす神様に妄想暴走中。ホミン大好き!

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小さな天使が舞い降りた

Posted by そらとまめのき on   1 comments   0 trackback

「今日、家に来ないか?」
そう言われたのは雑誌の取材の後。
記者が帰り支度を始め「お疲れ様でした」なんて言いながら立ち上がった直後だった。
「はい?」
肯定の「はい」ではなく疑問形の語尾の上がる「はい?」。
その意味するところを正確に読み取れたのか、偶然か。
「もらい物でワインがあるんだよ。結構美味しいって話でさ。折角ならチャンミンも飲まないかな?って」
詳しく説明がされた。

成る程。

そんな声が勿論室内にいたスタッフや記者にも聞こえていたわけで。
「ユノさんって飲めましたっけ?」
と言われてしまった。
「舐める程度には。だから、チャンミンなんですよ」
だから僕…。
「あぁ、チャンミンさんならワイン、いける口ですもんね」
納得された。
いける口ですよ、ワインでもゴールデンな飲み物も。
マネージャーを振り返ると右手でOKマーク。
マネージャーの許可もおりたことだし。
「じゃ、遠慮なくお邪魔させていただきます」


久しぶりに訪れたヒョンの部屋は雑然と整理されていた。
それがヒョンらしくて、何だか安心する。
「部屋、寒いだろ?ちょっと待ってろよ。今暖めてるから」
「大丈夫ですよ、床暖暖かくなってきましたから」
無人の部屋に戻ってきたときの寒さは此処だろうが自宅だろうが同じだ。
火の気も人の気も無いんだ。
冷え切っている室内。
と、そこにキラリと何かが光った。
そこにあったのは。
「クリスマスツリーなんてヒョン、持っていた…」
そこで気が付いた。

このツリーは。

「あ、それ昔」
「宿舎にあったツリーですか?」
お互いの声が重なる。
「そう。ずっと出してやってなかったら、今年こそ出してやらないとな。せっかくのツリー、可哀想だろ?」

いつか。

それは遠い記憶になる程昔。
確かにこれはあった。
電源を入れて、子供のようにはしゃいで。
暖かな灯りを眺めたのはいつだっただろう?

まさか、まだあったなんて。
まさか、ヒョンが持っていたなんて。

懐かしさにおもわずオーナメントに手を伸ばす。
丸いボール。
キラキラ輝くモール。
そして…
「これ、何か見覚えがある。なんだっけ?」
そこに吊り下げられていたのは小さな天使。
木製の照る照る坊主のような、羽根がついているのでかろうじて天使だと分かる。
凄く見覚えがある。
でも、思い出せない。
なんだっけ?なんだっけ?
「チャンミン、用意できたからこっちに来いよ」
ダイニングからヒョンが僕を呼ぶ声がする。
僕は咄嗟にその天使を連れてダイニングテーブルへと向かった。
「ヒョン、これ。何か見覚えがあるんですが、なんでか思い出せなくて」
「ん?」
ワインをグラスに注ぐために俯いていたヒョンが顔を上げた。
その目の前で揺れる天使。
「あぁ、それ。きちんとは覚えてないんだけど、デビューした頃?どっかのクリスマスイベントでオーナメント作りしたんだよ」
あ、何か思い出してきたかも。
記憶の欠片が繋がってきた。
そうだ。
オーナメント作りしたっけ。
これ、そう言えば。
「それ、チャンミンが塗ったんだ」
そう、僕が塗ったんだ。
クリスマスだから、赤でボディを塗って、羽根はシルバー?ホワイトパール?
なんか珍しいカラーの絵の具で塗った。
「なっつかしい!よくこんなのとってありましたね」
「ん、入ってた。ツリーしまってあった箱んなかに」
…。
残してあった訳じゃなくて、たまたま入っていたわけですか。
「流石だろ?」
ニヤっと笑うけれど。
そこ、ドヤるとこじゃないですから。
ええ、ある意味流石ですよ。
溜め込み大魔王。
「その天使見てるとさ、和むんだよ」
ヒョンがおつまみをかじりながらそう言う。
「クリスマスツリー自体、何だかワクワクさせる存在だけどさ、どのオーナメントより優しく思えるんだ」
「この照る照る坊主が?」
するとブッと吹き出した後、アハハと笑いながら
「照る照る坊主!!そう、照る照る坊主みたいなコイツが。木製だから?何かわかんないけど。あの時作ったオーナメント。これ以外なんにも残ってない。これが残っていたのは意味があるんだって、きっと」
「どんな?」
ヒョンが注いでくれたワインを傾けながら、ヒョンの答えを待つ。
でも大凡、答えが解る気がする。
「ん、ささやかな幸せ。優しい気持ちをくれる、小さな天使だよ」
はい、正解!
外さなかった、ヒョンの答え。

僕らの心に、小さな天使が舞い降りた。
ささやかな幸せを。
それは口許がほんの少し緩むような。
小さな優しさ。
そんな気持ち。
 

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